令和4年9月9日に行われた佐世保市定例会では、水道事業の決算報告や老朽管の問題が主要な議題として取り上げられた。
特に注目は、第73号及び第74号の議案で、こちらでは令和3年度の水道事業に関する未処分利益剰余金と決算内容が詳しく審議された。水道局長の中島勝利氏は、浄水場や配水管の老朽化問題について説明し、浄水場は33か所ありうち15%が法定耐用年数を超えていると報告した。更に、配水管の約32%が耐用年数を超えていることから、今後の老朽化対策は喫緊の課題であると強調された。
特に重要なのは、令和3年度の水道事業決算が黒字であったことに加え、未処分利益剰余金が10億円を超える状況にある点で、これを元に更なる施設更新の必要性とその資金確保の戦略が議論された。
市議会全体でも水道施設の更新に必要な費用は約100億円が見込まれており、その資金調達方法についても懸念が示された。水道料金の改定や国の補助金の活用など、様々な手法が検討される中、地域住民に対して水道事業の重要性を説明し続ける必要があると話された。
また、一般質問では、化学物質過敏症の啓発活動やICT化による業務の効率化について、久野秀敏議員から最後の厳しい質問があり、市長と教育長が答弁をした。化学物質過敏症の認知度向上に向けて市の取り組みや、ICTの導入に伴う職員の負担軽減対策については、現実的な課題として捉えており、改善に向けた具体策を進めている旨を伝えた。
このように、令和4年9月の定例会は、水道事業の老朽化問題や経営改善策、さらには教育現場における新たな取り組みについて幅広く議論がなされた。市長は市民の水道事業に対する理解を深めるため、透明性の向上や情報の開示を強化していく方針を明らかにした。