令和6年6月28日、大町市議会の定例会において、教育や福祉関連の重要な議案が審議された。主要な議案として、工事請負契約の締結や家庭的保育事業に関する条例の改正、一般会計補正予算などが上程され、全会一致で可決された。
特に注目されたのは、国民健康保険特別会計に関する議案である。議案第35号では、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に向けた補正予算が提案され、約53.6%の加入者にマイナンバーカードを保険証として利用できるが、実際の利用率は6.6%と低い現状が浮き彫りとなった。これに対し、「マイナ保険証に対するトラブルが多く、慎重な取り組みが求められる」との意見が上がった。反対意見を示した宮田一男議員は「大阪保険医協会によるアンケート結果を引き合いに出し、80%以上が保険証の廃止に反対である」と強調した。
対照的に、賛成の立場から討論した中村直人議員は、「医療デジタル化の推進は重要であり、マイナ保険証の導入によって過去の診療情報を活用し、適切な治療を行うことができる」と述べた。このように賛否が真っ二つに分かれる中、最終的には多数決により原案が可決され、今後の推進に向けた姿勢が示された。
また、請願第6号から第8号に関する審査も行われ、特に教育環境の向上を求める請願に対しては、全会一致で賛同する姿勢が示された。例えば、へき地教育振興法に関連する請願では、「へき地手当の支給率改善が教員確保に寄与する」といった内容が強調された。
議会の進行により、6月定例会は全ての議案が原案通りに可決され、今後の行政施策において議員からの意見を反映させることが確認された。その後市長は、地域振興や教育に対する考えを語り、議員一人一人の取り組みに感謝を示した。