令和5年9月、大町市議会の定例会では、市政に関する幅広い問題が議論された。
特に注目を集めたのは、認知症やトランスジェンダーに関する質問であった。
認知症については、市がこれまで行ってきた啓発活動や「認知症初期集中支援チーム」事業の成果が報告された。市長は、認知症基本法の理念を踏まえ、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう努める必要性を強調した。さらに、各種の支援策が具体化されつつあることも伝えられた。
トランスジェンダーのトイレ利用に関しても議論が高まった。従来の男女に基づく分け方についての見直しが求められ、特に多目的トイレの利用推進が提唱された。
市は今後、国や県の動向に従い、トイレ利用指針の策定を進める方針を確認した。教育長は、トランスジェンダーやLGBTに関する教育を促す意向を示し、学校でも理解を深めていくための施策が計画されていると述べた。特に、保護者からの意見聴取や、地域全体での理解促進の重要性が強調された。
また、帯状疱疹ワクチンの接種に関しても質問が上がり、市長は地域の医療ニーズに応じたワクチン助成についての提案を受け、今後の検討を示唆した。さらに、美術品の収集や文化遺産の評価を高めるための取り組みについても言及があり、地域文化に基づく独自の施策を進める意欲が伝わってきた。
その他の質問の中では、公共施設の更新や生活を支える行政サービスの持続可能性について議論がされ、川上晴夫民生部長は、今後の見通しを説明しつつ、地域のニーズに応じた施策の柔軟さを強調した。これらを踏まえ、今後大町市のまちづくりはさらなる加速を見せることが期待されている。