令和4年7月11日、臨時会が開かれ、大町市議会の新たなスタートが切られた。特に市長のあいさつは、市政運営への期待に満ちていた。
市長の牛越 徹氏は冒頭、先般の安倍元首相の逝去を悼み、民主主義の重要性を強調した。今回は新しい任期に入ったタイミングでもあり、今後の市政運営の所信表明が行われた。市長は持続可能な地域づくりを目指し、五つの重点施策に取り組む考えを示した。
一つ目の施策は「安定した雇用の場の確保と新規起業支援」であり、移住促進や子育て支援による人口増加が鍵となる。特に商店街の魅力向上や中小企業の育成が求められている。これに加え、地域の高校生への教育を通じて、地域の誇りを育てていくことも重要視されている。
次に「大町らしさを活かして新たな人の流れを作る」ことに力を入れるとし、美しい自然や地域特産品のブランド化によって観光客を誘致し、地域経済の活性化を図ることが述べられた。特に観光は、地域住民を巻き込むことで、地域と訪問者のより深い絆を築くことが期待されている。
第3の施策は「若い世代の結婚、出産、子育て支援」であり、出会いから育児までの一貫した支援が必要だ。市長は、子育てしやすい環境を整えることで、地域の未来を担う若い世代の定住を促進するとした。
防災・減災体制の強化も重要な施策の一つであり、安心・安全な暮らしを実現するために必要な取り組みが求められている。市はこれまでの経験を踏まえ、今後も防災体制の強化に努めると述べた。さらに、自然環境を保全し持続可能な地域を目指すためには、地域住民全体で環境教育や災害時の協力体制づくりが必要だと強調された。
最後に、牛越市長は全会一致で議案が可決されたことに感謝を述べるとともに、近く行われる若一王子祭りや大町やまびこまつりについて言及し、地域の士気を高める活動を喚起した。内容は盛りだくさんであったが、市民が一緒になって地域の未来を描いていくことが大変重要となる。