令和5年9月の定例会では、旧大町スキー場跡地の活用や居谷里水源に関する問題が幅広く議論された。
議員からの質問に対し、市長は旧大町スキー場跡地の活用を「地域の消費を促す経済効果が期待できる」と述べた。運営中のNPO法人中山高原森の風がオフロードコースやキャンプ場を運営している実績を挙げ、今後もイベントを通じて活用を図る意向を示した。
収入面では、約13万円の年間賃貸収入を受けているが、これに対して「これまでの評価はあまり詳しく依存していなかった」との施策の改善点も指摘された。議会では、NPO法人との関係を強化し、年次での事業報告を求める声もあった。
居谷里水源については、大腸菌の発見状況が問題視されている。水道部長は、現在の水源管理が風評被害を招くことを懸念し、野生動物の影響を受ける環境への対応強化を考慮する意向を示した。今後は、安全性確保のため、取水地点の見直しや、科学的な調査を実施していく必要があると訴えた。
観光政策に関して、市長は「滞在型観光への移行」が重要であると強調した。今後、黒部ダムや立山黒部アルペンルートの魅力を最大限に生かしつつ、地域資源の活用や新たな観光商品の開発に力を注ぐ意向を表した。観光協会との協力によって、大町市の観光を一新する試みが進められていくことが期待されている。
このような評価や今後の対応が実現できれば、観光の新たな局面と共に地域経済のさらなる活性化につながることが期待される。また、若い議員たちの参画が進む中で、市の観光政策の刷新が進むことも望まれている。