令和3年6月15日に開催された大町市議会では、多くの市民が抱えるコロナ禍による影響についての議論が行われた。
特に新型コロナウイルスワクチン接種に関しては、進捗状況と課題が議会で詳述された。市長の牛越徹氏は、65歳以上のワクチン接種は順調に進んでおり、すでに60%が1回目の接種を終え、具体的には6229人が接種を済ませたと述べた。一方、64歳以下の接種に関しても段階的に開始される計画で、各高齢者施設での従事者など、優先順位に基づいて進められる方針である。市は今後も柔軟な対応を心掛け、未接種者が取り残されることのないよう最善を尽くす方針を示している。
さらに、ウィズコロナ時代における文化芸術の重要性についても言及された。市内外からの観光客を呼び込むため、地域経済再生の一環として北アルプス国際芸術祭が予定されているが、感染症対策について市民の意見を反映させ、安全に運営される方針が強調された。市長は,「今回の芸術祭が市民の安心と安全を損なわないために、必要に応じて開催時期の見直しも選択肢に入れる」との見解を述べた。思い切った取組が期待される中、文化芸術の力で市の活性化は欠かせない。
今年度の新たな施策として、タクシーやデマンドバスを用いた高齢者や妊婦への交通支援が進められており、今後もこれらの充実が図られる予定である。特に高齢者の交通支援策は、この地域の高齢化進展に対応するため、非常に大切な施策とされている。市民から寄せられた生理用品の提供要望についても、地域に密着した施策の必要性が再認識された。
牛越市長は、困っている人に寄り添った政策実施を強調しており、今回の議会を通じてその考えを再確認した。一方、太田昭司議員は市民の生活支援の必要性と共に、地域経済の再建に寄与するための具体的施策の重要性を訴えつつ、戦略的な観点からの早期の再検討を求める意見を述べた。