令和4年3月定例会が2日、長野市議会で開催された。出席した39名の議員が新型コロナウイルス対策を含む市施政の各申し出を執り行った。特に、荻原健司市長は令和4年度の予算案や新たな施策への評価を示したが、議員たちはその具体性を求め、活発に質疑を行った。
特に注目されたのは、西沢利一議員による新型コロナウイルスの影響及びその対策に関する質問である。彼は、感染拡大の影響で市内経済が甚大な打撃を受けていると述べ、荻原市長に対してコロナ対策としての具体的な施策の継続とその強化を期待した。市長は、感染症対策が喫緊の課題と認識しており、特に市内経済の再生が急務であると強調した。最近のデータによれば、市民のワクチン接種率は高まりを見せているものの、依然として未接種者に対する接種促進策が必要である。
また、教育委員会からの報告によれば、コロナ禍による影響で新型コロナウイルスに伴う不登校が発生しているものの、その数は前年よりわずかに減少しているとした。その中で、教育長の丸山陽一氏は「より多くの学生が安心できる環境を整えることに努めている」と報告した。特に、新たに設置される子ども総合支援センターは、これまでの相談体制を強化し、子育て支援に力を入れる狙いがある。
荻原市長は、経済の回復に向けた取り組みとして新年度予算案に65億円を計上し、新型コロナウイルス感染症対策や災害復興に対する計画を具体化していく方針を示した。また、彼はスマートシティNAGANOについても、新産業創造を通じた地域活性化に期待を寄せており、産学官の連携を強化し、持続可能な社会の実現に向けた具体的な施策の展開を目指したいと語った。地域の特性を生かした経済成長の道を探る中で、特に青果など地産地消を促進する施策が重要であるとした。
一方、松木茂盛議員や阿部孝二議員からは、肥料や燃油価格の高騰が農業経営に影響を及ぼしているとの指摘があった。特に鈴木洋一市議員は、高齢化が進む中での農業者の後継者問題や農業の安定した収入の確保の重要性を訴え、質疑を行った。このような状況を背景に、農業における助成制度の強化が求められている。
市では、コロナ禍における飲食店や文化・娯楽関連業者への経済支援策にも言及し、新年度の消費喚起策として商品券事業を拡大する計画を進めている。また、長野市全体の交通網に対しても、今後の課題を浮き彫りにし、経済活性化に繋がるよう公共交通再編を進めるとも述べている。
市民からの信頼を得るため、議員たちからは引き続き市民への情報提供や制度の広報に力を入れるべきとの意見があがった。市長はこれらの意見に耳を傾け、市民の安心・安全を最優先に、制度の見直しや新たな施策について前向きな姿勢を示している。この定例会では、様々な意見が交わされ、長野市としての施策のさらなる強化が期待されている。