令和6年3月の定例会では、市長の荻原健司氏が施政方針と令和6年度の予算案について述べた。特に、長野市は経済回復に向けての重要な取組みを強調した。新型コロナウイルスの影響が薄らぎ、地域経済も回復の兆しを見せつつある中、荻原市長は明確なビジョンを示した。
今回の予算案では、更新した都市インフラや災害対策が急務であると指摘された。特に、能登半島地震による教訓を踏まえ、市では災害に強いまちづくりを目指すとして、その具体策を示した。例えば、上下水道の耐震化を進めることや、福祉避難所の整備を新年度予算に組み込むことが挙げられた。
「市民の安全を守るために、耐震化対策は不可欠だ」と市長は述べた。また、令和6年能登半島地震の被災地支援においては、長野市の経験 を活かし、迅速な援助体制を目指すとした。
さらに、移住・定住促進の取り組みにおいては、家賃支援や移住支援金を用いることで、若者や子育て世帯の定住を促す考えを示した。昨年からの施策に加え、今年度は中山間地域でのお試し移住施設を増やすことを計画している。このように積極的に移住施策を進めることについて、市長は「222億円の予算の中で、未来に向けた投資を行っていく」と強調した。
一方、学校環境の改善にも注力する必要があるとし、特別教室や体育館の空調設備の整備計画を示した。この施策は、子供たちが快適に学ぶ環境を提供することが狙いで、新年度は学校トイレの洋式化や特別教室の空調整備を重点的に進める。
その中で黑沢清一議員は、まちなかの再開発事業に対して、無駄を排除した費用対効果の観点からの検討を求め、また、税金投入の最小限に抑える仕組みについての説明を求めた。
最後に、この定例会では福祉避難所整備についても盛り込まれ、災害時に避難行動が困難な要支援者に対し、専門的な支援ができる体制を整えることが確認された。このように、未来に向けた施策を進めることが長野市の一体感や活力の源であると、市長は自身の施政方針を締めくくった。