令和2年12月定例会が7日に開催され、新型コロナウイルス感染症に関する議論が繰り広げられた。
松井英雄議員(公明党)は、新型コロナ対策の具体的な方策を市長に質問し、市内での感染拡大のリスクを指摘した。特に会食時の感染リスクが高まっているとし、「マスクを着用した場合のカラオケでの感染リスクや、具体的事例」を市民に広く周知する必要性を強調した。
加藤久雄市長は、この状況を憂慮し、今後も市民に向けて有効なメッセージを発信し続けると述べた。特に、ユーチューブなどを通じたコミュニケーションの重要性を認識しており、今後もこれを続ける方針である。
また、続けて松井議員は差別に関する相談件数についても言及し、市民から寄せられた相談内容に触れた。日台和子地域・市民生活部長によると、長野市において新型コロナウイルスに関連する差別に関する相談は約10件程度であった。また、差別に対する意識の向上を図るため、市民への啓発活動を進めていくとしている。
保育業務のICT化も重要なテーマとして取り上げられた。中澤和彦保健福祉部長は、タブレットを公立保育園に配備し、保育業務の効率化を図る計画について説明した。このICT化により、保育士の業務負担軽減が期待されるとされ、地方創生臨時交付金の活用についても、新型コロナウイルス対策として新生児への臨時給付金やデジタル化推進に関連した支援が検討されている。
さらに、松井議員は「車椅子での移動補助装置」に関しても質問を行った。保健福祉部長はこの装置の導入について、今後も貸出しを促進し、必要な地域に設置することを検討していくと表明した。この施策は、車椅子利用者にとっての移動の利便性を高めるものである。
議論は新型コロナウイルスに関する差別や感染拡大防止への意識の浸透、また地域の高齢者などの移動手段を考慮した施策展開に及び、各所からの発言を通じて地域の課題解決への取り組みが必要であるとの認識が示された。加藤市長は、地域を元気にするための施策を今後も展開していく意義を繰り返し強調し、参加議員には市民の健康を守るために一層の努力を求めている。