令和2年3月、飯田市議会第1回定例会が開催された。この会議では、市長の牧野光朗氏が施政所信表明を行い、様々な市政に関する重要な議案が審議の対象となった。
まず市長は、厳しい冬においても幸いにして平穏に過ぎたことを感謝し、地域経済の見通しについて触れた。特に、新型コロナウイルスの影響に言及し、「当地域ではまだ感染は確認されていないが、製造業には影響が及ぶだろう」と述べた。また、訪日中国人旅行者のキャンセルに言及し、地域経済への打撃を懸念した。
さらに、市長は信州大学との包括的連携協定を締結したことを報告し、地域産業の高付加価値化や地域人材育成に向けた取り組みを進める意向を示した。「リニア時代を見据えた地域づくりが急務である」と強調し、地域経済の持続的な発展に努める姿勢を示した。
次に、定期監査報告において監査委員の加藤良一氏は、昨年度の業務の執行について監査を行い、特に防火管理についての指摘を行った。「適切な管理運営がされていることを確認したが、特に防火管理は重要であり、業務委託先の状況把握が必要である」と指摘した。
議案審議では、39件もの議案が提出され、各議案の詳細が説明された中で、特に令和2年飯田市一般会計予算案が注目された。これは458億8000万円を総額とするもので、前年度と比べて微減となった。
各議案は、商業、税制、教育、環境等における施策が多岐にわたって含まれ、地域振興を目的とした多様な取り組みが示された。「特に次代の人材育成が重要である」との発言もあった。
今回の第1回定例会では、地域の課題や今後の方向性について、市長の施政方針や議員からの質疑応答を通じて活発な意見交換が行われ、地域の発展に向けた具体的な姿勢がみられた。会議は滞りなく進行し、これからの飯田市の未来を考える機会となった。