飯田市議会では地域の課題について幅広い議論が行われ、特に交通安全と移住・定住促進に関する問題が浮き彫りになった。
初めに、交通事故の現状について、北澤危機管理室長が市内での子供が関与する交通事故件数を報告した。過去5年間で子供が関与した事故は減少傾向にあるが、依然として多くの事故が発生している。特に、昼間の時間帯に多く発生し、特に下校時間帯の注意が必要と指摘された。この背景には地域と交通に関する意識が大きい。
高齢者による交通事故も問題視されており、発生件数は年間を通じて増加している。このことは社会的にも深刻な課題となっており、特に高齢者の運転に対する見直しと自動運転支援機能の搭載車両への移行促進が求められている。市としては、安全教室の開催や免許自発返納の啓発に努めているが、さらなる施策が望まれる。
次に、移住・定住に向けた取り組みについても議論があり、特に若者や子育て世代の移住促進が課題とされる。飯田市は、昨年度の移住者数のデータを元に、職の確保や住みやすい環境を整備する必要性が強調された。さらに、地域住民が主体となり、地域資源を活かした魅力創出に向けた協働の重要性が指摘され、地域の役員がその活動に真剣に取り組む姿勢が求められた。
議会内では、地域コミュニティとの協働を強化するため、コーディネーター制度の活用や、地域課題の解決に向けた実行部隊の設立が議論された。これらの活動は市民の意識を高めるためにも重要であり、地域全体でサポートし合う姿勢が期待されている。
最後に、高齢者や交通弱者に対する具体的な施策が不足している現状が浮き彫りになった。特に高齢者による交通事故の発生率が高いため、市民の安全を守るためにも、運転免許の自主返納を促進するための窓口設置など、さらなる具体策が検討されるべきであると強調された。