令和2年12月7日、飯田市議会が開かれ、佐藤市長が新たな市政のビジョンを示した。この会議では、市長の政治姿勢や市政運営に関する重要な議題が取り上げられた。特に注目を集めたのは、「2050年、飯田は『日本一住みたいまち』になる」という目標である。市長は、この目標を実現するためには市民の声を真摯に聴き、行政が機能するような心通う市政が必要だと強調した。
市長の発言の中で、特に「新・環境文化都市」という概念が繰り返し言及され、その重要性が強調された。市長は、この新しい都市像が環境と経済の好循環を生むものであり、その理念が今後の飯田市の発展に寄与すると考えている。また、現実的な問題として、過去の市政運営にあった閉塞感や停滞感についても触れ、市民のニーズを十分に把握できていなかったことを反省した。
さらに、リニア中央新幹線に関連した意見表明もあり、市長は乗換新駅の設置について再考し、駅設置が無駄との意見が多かったことを挙げた。これは地元の意見を反映させた決断であり、市長としての信念を持っての判断だったといえる。
またエス・バードの運営についても新しい方針が示され、航空宇宙産業に偏らず、より多様な産業振興が求められるとした。特に新型コロナウイルスの影響を受け、企業支援の重要性が増していることから、地域内循環型経済の推進や新規事業支援などの取り組みは今後の鍵になるだろう。
市長自身も、対話と現場主義を強調し、市民とのコミュニケーションの重要性を再確認した。市民の声を聞くことが、市政の中心であるべきだと考えている市長の姿勢が垣間見えた。
今回の議会では、これらの議題の他にも文化振興や新型コロナ対策など幅広いテーマが議論された。特に文化振興においては、飯田文化会館の建て替えや伝統文化の保護が求められ、教育に関しては、未満児保育や学童保育の充実が語られた。