令和5年12月7日の飯田市議会での第4回定例会において、報告される内容に関心が集まった。議会では、地域全体の活性化に向けた提案が続出し、特に市民生活に直結する施策が議論された。
まず、宮脇 邦彦議員が市政運営と来年度予算編成についての考えを示した。新型コロナウイルスの位置づけが5類に移行したことに伴い、日常生活が一部復旧しているが、物価高騰や国際情勢の影響が市民生活に影響を及ぼすことは明白だと述べた。また、地域経済循環の必要性を強調し、地域の支え合いにおいて地域通貨の導入を検討することを提案した。この点について、佐藤 健市長も地域内経済循環を重視し、今後の取り組みに期待感を示していた。
次に、リニア三遠南信時代に向けた観光振興に関する質問も取り上げられた。特に、地域の観光振興策において、どのようにサステーナブルツーリズムを推進し、地域の魅力を発信していくかが論じられた。市長は、三遠南信道開通に伴い、遠州、東三河、南信州の魅力を最大限に引き出す施策を推進する考えを示すと同時に、観光地としての特色を生かした取り組みの重要性について語った。
また、宮脇議員は「誰もが安心して暮らせる社会」についても言及した。地域で安心して暮らせるためには、子育て世代の声に耳を傾け、特に女性活躍の環境整備が不可欠であるとの認識を示した。この観点からは、ジェンダーギャップの克服や地域での女性の支援がどのように進められているかが重要な課題である。
これに対し、復興支援として高齢者を支える社会の必要性が論じられた。高齢者福祉や介護サービスの質を高めるためのコミュニケーションの重要性も再確認され、精神的なケアも含めた包括的な支援の視点が求められた。同時に、障害者を支える社会の実現に向けた施策の具体化が進むことが期待される。
特に印象的だったのは、議員たちが市民の意見をどれだけ多く取り入れられるかに注視している点である。市長も、住民との対話を重視し、ニーズに基づいた施策を考える意向を示した。これにより、主要な施策が市民の声を反映したものとして具現化されることが期待される。
今回の議会を通じて、地域全体で支え合う、成長していくという飯田市の方向性を確認し、期待感が高揚した。地域経済の回復、観光振興、子育て支援など、さまざまなテーマが相乗効果を生むことを願う声が上がった。