令和5年12月6日、飯田市議会は第4回定例会を開き、今後の市政運営に関する具体的な課題について議論した。特に注目されたのは、新型コロナウイルスの影響や人口減少の課題、リニア中央新幹線の開通時期の見通しについてである。
初めに、山崎昌伸議員が代表質問を行い、市長の市政運営について問うた。市長は、過去の3年間における課題への対処について、「コロナ禍による影響を受けた中で、長年の課題に道筋をつけた」と自負の意を示した。しかし、市民の要望や期待に応えているかという点では、回復の道のりは厳しい面もあると認めた。
続いて、井坪隆議員が、大学設置の可能性について質問を行った。市長は、大学設置が難しい状況ではあるが、地域を強化するために大学との連携を進めていくと誓った。この考えは、リニア開通後の人口ビジョンの維持を意識したものだとも言える。
また、福澤克憲議員は、若者の地元定着の必要性について触れ、塩尻市のオンデマンドバスの事例を挙げ、特に高齢者に優しい公共交通の形について提案した。彼は、飯田市においても、こうした交通の根本的な見直しが必要であると強調した。
最終的に、コロナ禍後の地域の自治活動についても議論が行われた。市長は住民の声を聞き、地域との結びつきを意識した自治運営を重視するとした。特に、自治基本条例の理念を再確認し、これからの地域における市民のあり方を見直す必要があるとし、意識の共有を呼びかけた。
このように、市議会は農業・林業・公共交通に至るまで多様な課題を取り上げ、地域自治の在り方やその実行に向けた意見が交わされた。次回の議会では、具体的な方策について議論が進められることが期待される。