令和3年3月10日の飯田市議会定例会において、新型コロナウイルス感染症対策を中心にさまざまな課題が議論された。特に注目されたのは、ワクチン接種や地域経済振興、観光振興に関連する施策である。
新型コロナウイルスの影響が続く中、市は最優先で感染症対策を進めるとして、ワクチン接種の体制を強化する方針を示した。市の健康福祉部長は、「集団接種会場の設置や、予約システムを導入し、効率的な接種を実現する」と述べ、市民の安心を図る。
さらに、昨年末に市内で発生したクラスターについては、迅速な対応が求められた。保健所や市職員が連携し、大規模な調査を行った結果、感染者の把握といった基本的な対応が功を奏したという。市民からの問い合わせも受け継ぎ、必要な情報提供を通じて誤解を解消する努力が続けられる。
また、 飯田の観光資源の活用が提起され、特に観光水引について議論が行われた。重要な地域の伝統工芸である水引は、県内外からの観光客に人気があり、この機会に地域の魅力を広める意義が強調された。関連施設の閉業により影響を受けた観光業界に対し、官民が連携して水引体験教室などを通じて観光客の誘致に努める。特に、昨今のニーズに応じた観光プランが求められ、地域全体での魅力ある観光戦略が提案された。
加えて、飲食業界の支援についても言及され、出前焼き肉など地域ならではのサービスを提供することで、観光と地元産業の相乗効果を狙う方針が示された。自動二輪、オートバイを活用した観光誘致や、キャンプ場での焼き肉プランについての提案も行われ、地域外からの訪問者にアピールできるような取り組みが期待されている。
最後に、防災対策についても議論され、コロナ禍における河川の状況や地域住民による自助努力が求められる中、さらに見やすい防災ハンドブックの改訂なども検討される。全体的に、地域が連携し、感染防止と経済復興を両立させるための具体的な施策が模索される会議となった。