令和3年9月15日、水曜日、飯田市議会第3回定例会が開催された。議場には23名の議員が集まり、様々な議題が活発に討論された。
最も注目を浴びたのは、有機農業研究者会議2021についての議論である。市長の挨拶では、特に大分県臼杵市の事例を引き合いに出し、その取組から学び、飯田市も10年先を見据えた有機農業の取組を進めたいとの強い意向が表明された。臼杵市は、地域資源を生かした農業を推進することで自らの地域を立て直してきた。市長はその姿勢を「10年頑張れば、ここまで来れた」と述べ、農業を生かしたまちづくりの重要性を再確認した。
続いて南信州ゆうき人の活動が紹介された。これは、環境に優しい農業を通じて地域の農業を活性化する団体である。この団体は、地域の生産者や消費者のネットワークを強化し、農業振興に貢献することを目的とした取組を行っている。特に、有機食材を使用した地域産品の販路拡大についても議論され、エス・バードなどの施設を利用した食品開発やブランド化が期待されている。
さらに、学校給食への有機食材導入についても進展があった。教育委員会は地元産の食材を取り入れるため、南信州ゆうき人との連携を進めている。現在、いくつかの保育園での試験的導入を進めているが、今後は地域全体の生産者との協力を深めていきたい意向が示された。特に、農業従事者からは一人ひとりの役割を見直し、より多様な作業に取り組むことが求められている。
ナラ枯れについても言及され、飯田市内での発生状況が報告された。作業の最前線にいる組織との連携を深め、適切な管理を行うことが今後の大きな課題とされている。特に、森林の保水力を高めるための具体的な施策が求められている。
総じて、今回の定例会では地域の特性を生かし、有機農業の推進や森林管理の重要性がこれまで以上に強調された。地域の繋がりの中で、その価値を見出し、地産地消から始まる持続可能な発展を目指す必要性が一段と増したといえよう。市としては、持続可能な地域づくりの実現に向け、今後とも積極的な取組を進めていく意向を示した。