飯田市議会の令和6年第二回定例会が5月21日に開催され、主要な議題としてリニア中央新幹線の開業遅延が取り上げられた。市長の佐藤健氏は挨拶の中で、リニア開業の現状とその影響について詳細な説明を行い、開業予定が2027年から10年以上先に延びる見通しとなったことを報告した。これに関連して、地域への影響についても懸念が示された。
リニア工事の進行が名古屋までの開通に直結しているとして、現在の工事の進捗状況において、特に静岡工区の問題が指摘された。市長は、「地域の方々に、リニア開業時期の遅延に関する経緯と事情について、JR東海から十分な説明が行われるべきだ」と強調した。今後の工程・スケジュール策定に向けた具体的な取り組みが期待される。
また、今回の会議では、令和6年度一般会計補正予算も審議され、加えて新型コロナウイルス感染症に対する支援策が含まれている。予算案では、国のデフレ脱却支援策に基づき、所得税及び住民税の定額減税が実施される。この減税によって、低所得世帯に対する支援も盛り込まれ、具体的には調整給付や給付金の詳細も議題に上った。特に、低所得世帯への10万円の給付と子供一人につき5万円の追加支援が計上されたため、合計予算の大幅な見直しが必要であるとし、これに続く議論が展開された。
さらに、飯田市の国民健康保険特別会計についても予算補正案が提案された。新たな経費として、マイナンバーカードと保険証の一体化を可能にするためのシステム改修が議論され、特に国からの支援金が見込まれていることが重要なポイントとして挙げられた。今回の会議では、監査報告も行われ、行政の透明性と適正な運営が確認され、今後の改善点も提示された。
市長の挨拶においては、リニア開業の待機期間中に地域活性化に向けた方策が求められるとの意識が窺えた。「リニア依存から脱却し、地域の特色を活かしたまちづくりが求められる」と市長は締めくくった。議会の進行の中で様々な施策の議論が行われ、散会となった。