令和5年3月10日に開催された飯田市議会の定例会では、数多くの議題が審議された。特に人口増や移住施策、空き家問題などの地域課題が取り上げられた。
議会では、小平彰議員が飯田市の人口増とその施策に関して質問し、2028年までに定住人口を9万6千人にする目標があると述べた。現在の人口が約9万5724人であり、目標に向けての取り組みが必要だと強調した。また、宝島社発表の住みたい田舎ランキングで、飯田市が総合部門で1位になったことも紹介し、その施策が評価されたことに明るい展望を示した。
一方で、空き家問題も重要な課題として報告され、管理不全な空き家が494戸に上ることが明らかにされた。市民協働環境部長は、この問題解決に向けての取り組みが求められると応じた。特に、空き家バンクの構築や、その促進活動において具体的な働きかけが必要とされている。また、移住施策に関しても、具体的な施策として空き家の活用が議論され、地域経済分析システムなどに基づくデータが求められている点が挙げられた。
さらに、木下徳康議員は「大学のあるまちづくり」についても触れ、信州大学の新学部誘致を願う声をあげた。新学部が地域に与える効果や学生の定住が今後の活性化に連結するという期待が込められていた。
動物園に関する議論では、動物園が市民の癒しや環境教育の重要な場であり、中心市街地の回遊促進の核でもあるとの認識が示された。市民の憩いの場としての役割、さらに地域活性化への寄与が求められていることが確認された。市としては、動物園の集客力をさらに活かし、様々なイベントを通じてにぎわいを作り出すことが目指されている。
最後に、ゲノム編集食品に関する議論が行われ、地元での視点から慎重の意が示された。特に国や県の方針に依存しながらも、地域に住む人々の不安を払拭する施策が必要であるとの見解が述べられた。特に、飯田市立動物園としての役割とその所管に関しても見直しが必要とされ、今後の動向が注視されることであろう。