令和6年3月に開催された第1回飯田市議会定例会では、市長の施政所信表明が行われ、今後の施策について詳細に説明された。
まず、佐藤健市長は能登半島地震で亡くなった方々への哀悼の意を表し、地震による被害状況と飯田市の対応について報告した。特に、被災地への支援活動や義援金の集まりについて触れ、「現在までに1,600万円以上の義援金と1,500万円以上のふるさと納税が寄せられており、感謝申し上げる。」と述べた。
また、市長は令和6年度一般会計予算案についても触れ、536億7,000万円と過去最高額の予算編成が行われたことを報告した。ここには、リニア関連事業や道の駅遠山郷の再整備、学校の改修工事などが含まれている。市長は「少子化や人口流出に対し、経済的、精神的負担軽減を図る施策に力を入れた」と強調し、特に子育て世代の支援に注力する方針を示した。
地元経済の活性化に向け、地域のつながりや防災力の強化にも焦点を当てるとし、「地域の防災力向上に向け、市民の皆さんに災害時の避難計画を広め、地域ごとの地震被害想定を調査する防災アセスメント調査も実施したい。」と述べた。
本定例会では、定期監査報告も行われ、適正な予算執行の結果が示された。一部の改善点が指摘されたものの、大部分は適正に処理されていたことが報告された。市と議会は、監視や指導をしっかり行い、さらなる改善を目指していく意義を確認した。
また、議案審議も行われ、計45件の議案が提案されたことが議題に上った。多くの新規事業や委員会付託の議案が審議され、特に人事案件や条例案が重要視される姿勢が見受けられた。市長は「持続可能な地域社会の実現に向け、多様な施策を市民と共に進めてまいります。」と力強く述べ、閉会となった。