令和4年2月21日、飯田市議会の全員協議会が開催された。コロナ感染拡大を受け、市長や議長からは地域の状況を踏まえた発言が相次いだ。特に、コロナに関連した災害対策会議の開催実績を紹介し、「市民の皆様とのコミュニケーションを重視している」との強い姿勢が示された。
市長の佐藤健氏は、最新の感染状況について言及し、地域内での取り組みを強化する意向を表明した。「陽性者数が前回の協議会以降増加しているため、保育施設などの登園控えを続ける必要がある」との説明があった。さらに、ワクチン接種ペースを加速する施策が指摘され、接種券の早期発送を求めた。
議題の一つには、令和4年度の組織機構の見直しが含まれていた。人事課長の岡本佳宏氏は、「大学誘致連携室」と「遠山郷観光振興室」を新設し、観光振興の体制を強化することを明らかにした。特に、大学誘致に関しては地域の発展に直結する重要な施策と位置付けられており、地元の期待も寄せられている。議員の西森六三氏からは、新体制における人事配置の具体的な検討が求められ、岡本氏は、「基本的には課長級を配置し、係長も設ける予定である」と述べ、現在検討中であると答えた。
次に、飯田市財務諸表についての報告が行われた。財政課長の佐々木学氏は、予算決算制度の変更に伴う新たな取り組みを強調し、「透明性を高める観点から、発生主義と複式簿記による財務書類の公表を始めている」と説明した。特に、新型コロナウイルス関連の経費が増大し、行政コストが大幅に増加した点も指摘されたが、市民への説明責任も重視されている。
南アルプスジオパークの今後についても議論があった。環境課長の岩崎克幸氏は、ジオパークの条件付再認定を受け、活動を継続する意向を表明した。また、富士見町が協議会から退会する理由として、ユネスコエコパーク活動への一本化を挙げた。これに対し、他の市町村では協力を継続する考えが示された。
最後に、飯田市営駐車場の使用料改定についての試行が挙げられ、中心市街地の活性化を目指した取り組みが説明された。利用状況を分析し、将来的には料金体系の見直しを検討する方向性が示された。市長は、「駐車場の担当部を見直すことも重要」との見解を述べ、変化を求める声が挙がった。
この全員協議会を通じ、飯田市の新たな取り組みが市民の生活にどのように影響を与えるか、今後の展開に注目が集まる。