令和3年11月18日に開催された飯田市の全員協議会では、今後の財政見通しや新しい都市計画に関する重要な議題について協議が行われた。
今回の協議会では、佐藤健市長が今後10年間の財政見通しを詳細に説明した。巨大なリニア事業や文化会館の改築など、大規模な公共投資が予定されており、高い経済的負担が予想されている。その中で市長は、長期的な視点を持ちつつ持続可能な財政運営を強調し、特に「基金と地方債を活用する方向性」を示した。
佐藤市長は、経済安全保障が必要とされる現代の中で、地方創生の重要性についても言及した。特に地方の活性化に向けては、若年層を農林漁業へ引き込む施策が求められるとの考えを表明した。また、「限界集落の増加が懸念される現状について、地方の声を政治に届けることが重要である。」とも述べた。
協議の中で、自由な意見が交わされた。議員からは、新井信一郎氏が「リニア関連での民間企業との連携が不可欠」と指摘し、税収の増加を狙うべきとの提言がなされた。市長はそれに対して、現行の財政計画を保持しつつ、民間との協力を促進させる意向を示し、「税収見込みを含む明確な計画に基づいて運営を行いたい」と答えた。
また、都市計画の変更についても協議が行われ、地域計画課長が新たな土地利用計画の提案を行った。特に、グリーンインフラの導入が強調され、持続可能な地域づくりの重要性が再認識された。
最後に、生嶋危機管理担当専門幹から新型コロナウイルス感染症対策についての報告がなされた。市内では新たな陽性者数が減少しているが、引き続き感染防止策が講じられる。市民への簡易検査キットの配布数が5万個を超えていることなど、市の取り組みが強調された。
全員協議会は市民との密接な関係を築きながら進んでおり、飯田市の未来を見据えた財政運営が問われる重要なタイミングにある。