令和2年3月、鹿屋市議会が定例会を開催した。今回の議題には、一般会計予算をはじめ、42件に及ぶ議案が一括で審議されることとなった。
中西茂市長は、予算案と市政運営に関しての所信表明を行い、鹿屋市の健康と経済を守るための施策を強調した。特に、新型コロナウイルスの影響に関しては、健康相談センターが設置され、新型コロナウイルス感染症対策会議が始動していることに言及し、市民の安全を第一に考えていると述べた。
また、議案の中で注目されるのが、令和2年度鹿屋市一般会計予算案である。予算総額は534億円で、前年度よりも1.3%の減少となる見込みだ。中西市長は、雇用の場の確保と子育て環境の充実が求められており、今年4月には移住・定住支援センターを開設する計画であると報告した。
健康づくりや教育の推進にも力を入れるとのこと。教育環境の充実としては、鹿屋女子高等学校の新校舎供用が始まるほか、プログラミング教育にも対応できるようなカリキュラムが実施されるという。市長は、若者の支援を引き続き進め、未来の地域を担う人材育成を目指すと強調した。
さらに、地域活性化のためには、スポーツによる交流や各種イベントの開催も促進する意向が示された。鹿屋市での冬華火や食フェスなどは、多くの市民の参加を得て成功した事例であり、今後のイベント開催へとつなげたいとのこと。
予算案における特別会計についても報告があり、国民健康保険事業においては115億円を計上。介護保険の特別会計も114億円を見込んでいる。
市長は、予算編成の背景に、市民の声を生かしつつ持続可能な行財政運営を心がけたと述べ、今后の施策に向けた希望を語った。議案の質疑が続く中で、さらなる具体的な取り組みについて意見が交わされ、市民の期待に応える姿勢が感じられた。
今後の鹿屋市の成長には、市民の理解と支援が不可欠であり、市長もその重要性を再認識していることが伺えた。議会は今後も市政運営の健全性を保つべく、適切な議論を進める必要がありそうだ。