奥州市では、森林環境譲与税を活用した新たな取り組みが注目されている。特に、低下する森林の育成管理や人材育成が急務とされ、昨年度策定した基本方針の実施状況についても、着々と進展が見られる。
昨年8月に示された基本方針には、森林整備や木材利用の促進、森林教育の充実が盛り込まれており、様々な施策が推進されている。今年度は江刺梁川地区の森林現状調査や所有者への意向調査が実施され、また伐木講習会や森林病害虫対策、林地台帳の整備なども計画されている。これにより、地域の森林資源を活用した持続可能な管理が求められている。
さらに、森林教育の推進においては、児童や生徒への森林環境教育が重要視されており、特に都市部自治体との交流を通じた体験型のプログラムの導入が期待されている。地域の野外教育拠点を活用して、都市部の住民と連携しながら、森林管理の重要性や持続可能な社会の構築を促進する方針で進められている。
また、森と人との関係性の重要性や、緑に囲まれた快適な生活環境を提供するためにも、地域内の空き校舎などを有効に活用することが提案されている。例えば、伊手小学校の廃校を利用した森林教育の拠点としての活用案も検討されており、地域資源を最大限に活かす姿勢が伺える。
一方、都市部自治体との連携の重要性も強調されている。具体的には、全国的に見ても稀有な大規模なドローン特区の導入が進められており、ドローンを活用した様々な分野への挑戦が期待されている。かつての不況を経て復活した地域が多い中、奥州市特有の強みを作り上げ、多様な人材を育成し、交流人口を拡大していく戦略が求められている。
このような取り組みを実現し、持続可能な地域経済の育成へとつなげるためには、地域社会全体の協力が不可欠である。今後は、関係者との連携を強化しながら、地域資源の効果的な活用や新たな試みを積極的に推進していくことで、奥州市の持続可能な発展を遂げていくことが期待される。