令和4年2月の定例市議会において、奥州市の医療と農業政策について重要な議論が交わされた。一般質問では、これまでの改革プランの進捗と今後の見通しがメインテーマとなり、複数の議員が市立医療機関や農地転用に関する具体的な質問を行った。
特に、及川善男議員は市立医療施設の病床数削減について言及し、現在の235床から111床の削減計画は見直されるべきだとの考えを示した。また、「地域住民が必要とする医療機能の維持」を強調し、水沢病院の役割に関しても言及した。「病床数が急激に減ることは、地域医療の機能を損なうのではないか」との危惧も表明した。
その中で、小沢昌記市長は、病床数の設定は厚労省や県の方針によるものであるとしつつ、地域住民の意見を重視して適切な判断を行う意向を示した。また、水沢病院がコロナ対策において重要な役割を果たすことも確認された。特に入院患者の出入りが活発であることから、病院の機能を強化する意義が再確認された。
次に、農業委員会の阿部恒久会長は白抜き農地の転用について説明。農地の転用許可について、農業委員会は農業生産の基盤を確保するため、厳格な基準を設けていることを強調し、申請受付の重要性についても言及した。しかし、許可基準を満たさない場合は難しいとの姿勢も見られ、具体的な運用方法についての議論が続いた。
また、及川議員は市長選挙前に具体的な医療改革と農業政策の方向性を示す必要があると訴え、行政が具体的な計画を示すことの重要性を強調した。いかにして市民の声を反映し、地域医療と農業の持続可能性を確保するかが今後の課題となる。
全体を通して、地域医療の継続的な機能と農地利用の最適化が喫緊の課題であることが浮き彫りとなった。市は今後、住民の信頼に応えるため、透明性のある政策決定と実行を行う必要がある。