奥州市において、住民自治組織である町内会・自治会は、成り手不足と高齢化という課題に直面している。市では協働のまちづくり指針を通じ、地域づくり活動団体として重視しているが、実際の状況は複雑である。特に高齢者の活動への負担が増大し、参加が厳しくなっている。こんな中、地域リーダーの育成や活動の見直しが求められる。市は行政そのものが支援している自助活動の推進を目指すことで、自主防災組織の組織率が95%以上に達しているが、実際には訓練を実施していない団体も存在する。
具体的な支援策として、防災訓練を促進するためのマニュアルを配布したものの、活動状況の把握には限界があり、具体的にどのような訓練を行うべきか明確に示す必要がある。そこで、他自治体の成功事例を参考にし、各地域の自主防災組織に対する支援の強化をさらに推進する必要がある。
避難経路の確保についても強調され、災害時における避難行動は、各家庭や地域の防災意識の向上に依存することが指摘される。市民はハザードマップを基に避難経路を定め、周知徹底することが不可欠であるとの認識が示された。特に新型コロナウイルスの影響を受けた中、地域の絆を再確認し、互助精神をもって地域を支える仕組みを作ることが求められている。
また、進行中のデジタル化の動向を捉え、デジタルツールを用いた防災の普及も今後考慮すべき点とされている。特にスマートフォン講座を通じて高齢者へのデジタル・リテラシー教育を提供し、地域活動への参加を促す手法が提案されていることは、今後の地域活動に対しても大きな影響を及ぼすと考えられる。
災害時の避難所となる拠点については地元自治体との連携のみならず、更なる広域的な組織連携が求められる。災害対策において地域間の協力が強化されることで、市民の安全確保へとつながる施策が期待される。行政側でも、他自治体との協定による相互応援体制や、非常時の避難者受入れ体制を構築していく方針を堅持し、実効な支援を行い続けることが重要である。