奥州市の2023年12月定例会では、待機児童の現状や地域計画の策定について活発な議論が交わされた。市長の倉成淳氏は、待機児童が現在40名であることを明らかにし、これに対する解消策として新たな保育施設の開設を予定していると発表した。
特に、胆沢地域には認定こども園が新設されるほか、水沢地域にも小規模保育園が開園予定であることから、令和6年度の入園児受入れについては減少が見込まれている。市長は新たに設置される施設が期待されるとし、地域のニーズに応じた受入れ能力を増強していく方針を示した。これに伴い、配置基準の見直しについても重要視されており、市としても国の基準を因めて、必要な対策を検討している。
千葉康弘議員からは、配置基準の厳しさが問題として提起された。現状ではゼロ歳児に対しては保育士1人で3人の児童を担当する基準であり、その厳しさや保育士の労働環境の問題が指摘された。市長は保育士不足、特に人手不足の課題解決に向け、今後の取組みについて説明した。特に、施設において休暇制度を改善し、やりがいのある処遇を目指す考えを強調した。
また、農業委員会の阿部恒久会長は、農用地の過去の利用状況を踏まえて地域計画の策定に取り組んでおり、地域内外でどのような意見があったかをもとに、目標地図の素案作成に向けた作業を進めていることを述べた。この目標地図は、今後の農地利用において重要な役割を果たすことが期待されている。
最後に、産科医招聘の活動についても言及があり、昨年から医師不足に苦しむ地域として、地元医療の充実を求める声が高まっている。倉成市長は引き続き県との連携を強化し、医療体制を守るための努力を続ける意志を表明した。今後の農業や医療が地域にどのような形で寄与していけるか、具体的なビジョンを持った施策の推進が求められる。