令和3年第2回奥州市議会定例会が6月22日に開かれ、様々な議案や請願が審議された。主な内容は、公共施設に関する政策提言書や選択的夫婦別姓制度の法制化を求める意見書、安全な医療と介護の実現を目指す請願などである。また、東京電力福島第一原子力発電所でのALPS処理水の海洋放出に関する議案も重要なテーマとなった。
中でも特に議論が交わされたのは、発議案第34号に関する「将来の公共施設の在り方に関する政策提言書」であった。この提言書は、奥州市の公共施設の配置や老朽化に関する課題を提起している。中西秀俊議員は「急速な人口減少と高齢化社会に向け、公共施設の再構築が不可欠である」と強調した。厳しい財政状況にある中で、効果的な施設配置が急務であるとの意見が相次いだ。
また、発議案第36号のALPS処理水の海洋放出に関しては、千葉敦議員が「漁業者の理解が得られていない状況での政府の決定は無責任だ」と発言した。安全な処理方法の確立が求められる中で、政府の対応が見直される必要があるとの意識が高まった。
請願第13号では、安全な医療・介護を求める声が強く、国民の命と健康を守るための施策強化がテーマとなった。これに対し、阿部加代子議員は「今、財源を確保するよりも、コロナウイルスの抑え込みに全力を尽くすべきだ」と意見を述べた。この他、米価の暴落に関する請願第14号でも、国の緊急対策を求める声が上がり、農業従事者の困窮が懸念された。
市長や議員からは、コロナ禍における経済対策の必要性が強調され、医療や福祉への十分な財源確保や人員増加が求められた。議会では、国と連携した施策の強化が不可欠の姿勢が示され、様々な立場からの意見が交わされた。
なお、次回の会議でもこれらの問題に関する議論が継続される見込みである。