奥州市議会では、令和3年12月定例会(第4回)が開催され、主に教育や公共水道、歴史遺産に関する議題が取り上げられた。
各議員からの質疑応答において、男女混合名簿の導入問題が取り上げられ、「男女混合名簿の活用は急務である」との意見が多く寄せられた。特に、教育関係者にも早急な対応を求める声が上がり、名簿を用いた性差をなくす取組みの重要性について再確認される場面があった。教育長は、現在36校中の29校で男女混合名簿が活用され、残りの7校も検討予定であると述べ、さらに工夫をして進める計画だと発言した。
続いて、ジェンダーレス制服に関する質問も行われ、導入に向けた検討が進んでいることが報告された。市内の学校の制服を見直す動きがあれば、スラックスを選択できるような柔軟な体制を検討することも重要であるとされ、将来的な統合に向けても意識が高まるとの期待が寄せられた。
水道事業については、特に管路の老朽化が深刻な問題とされ、評価不可の管路は全体の2.8%を占めることが報告された。市長は、評価不可の資料をもとに今後の優先順位を考慮し、工事を進めていくとした。また、HPVワクチン接種についても、対象者への個別通知を充実させる方針が示され、地域での教育と啓発が重要であると強調された。
さらに、地域の歴史遺産についての質問では、地元の先人に関連する資料の整理が進められていることが報告された。特に、情報発信の強化や文化財施設の団体化など、地域の歴史を尊重しながら市民に理解してもらうための措置が求められた。市長は、地域の資源を生かした発信力を高めることが不可欠であると認識し、今後も努力すると誓った。
このように、議会では奥州市の教育課題から地域の歴史、公共事業までの幅広いテーマについての質疑が行われ、それぞれの問題に対する具体的な解決策が求められた。各担当部門が市民の期待に応える行動を進めることが必要であり、官民一体の取組みが今後も求められることが再認識された。