令和2年2月21日、奥州市議会で福祉関連事業所の人材不足問題が重要議題として取り上げられた。小沢昌記市長は、保育や介護の現場で顕著な職員不足について報告し、具体的な対策として、様々な補助制度を確保することが市の行動方針であると強調した。
保育士の不足は公立、民間ともに深刻であり、多くの保育施設では受け入れ可能人数に制限が生じている。高橋浩議員は、これに関して現場の実情、さらに報告された業務の負担や経営状況を示し、具体的な解決策を提案した。市は、ハローワークや専門機関と連携して、保育士確保のための緊急対策事業を推進している。特に、資格者への奨励金や補助金制度を設け、就職の促進を図る方針だ。
また、障がい関連施設も人材不足に直面している。市の調査によると、求人は出しているものの、職員が集まらず業務を拡大することが難しい実情がある。一方で、県の地域自立支援協議会では、介護事業所間での情報共有と支援策の協議が進められている。
特別養護老人ホームの入所待機者に関する問題も指摘された。平成31年4月時点で542名の入所希望者が存在するが、そのうち209名が在宅待機者であり、その中に早期入所が必要な119名が含まれている。従って、市は人材不足の解消に努めるとともに、次期計画における施設の増設についても積極的に検討する必要があると認識されている。
さらに、地方公営企業等経営アドバイザー派遣事業の活用の必要性についても言及された。この制度を利用することで、市立病院の経営改革のための有効な助言を受けられる可能性があるとされている。市と医師会との連携を強化し、地域全体での医療サービスの充実を図る動きが期待される。
高橋議員は、基幹病院の重要性と地域医療提供体制の向上のため、様々な方策を模索する必要があると訴えた。市は、厚労省の助成制度のしくみを踏まえつつ、地域医療の現実と課題に目を向け、迅速な対策を講じる必要がある。これにより、待機者の解消を図る一方、将来的には地域医療を維持するための強固な基盤をさまざまな角度から整えることが求められている。