令和5年6月14日に行われた久慈市議会の定例会では、災害対策や道の駅「いわて北三陸」、久慈秋まつり、土木行政、景観資源の管理など多岐にわたる議題が議論された。その中で、防災対策について地域の課題を真摯に受け止める姿勢が見られた。
まず、防災対策について、議員からは、国の津波浸水想定図に基づいた避難路の整備が急務であるとの指摘があった。市が策定中の津波避難計画では、避難困難区域の抽出作業が行われており、今後適切な対策が求められる。市長は「津波浸水想定区域外に避難することが第一であり、そのための整備を検討している」と意欲を見せた。
次に、市民から寄せられた意見として、避難タワーの必要性が上がった。特に湊地区では、避難経路に難があるため、3基の避難タワーが必要との要望が強まっている。
道の駅「いわて北三陸」に関しては、市民や観光客からの要望が多く、指定管理者が寄せた意見には、案内表示や来訪者のトイレ設備の充実が含まれていた。駐車場の増設についても、市長は「来場者数の推移を注視し、増設を検討する」とコメントした。
さらに、景観資源の管理についても、桜の保護や維持に向けた取り組みが必要だとの声があった。市は今後、地域住民との協力を重視しながら実施を検討していく意向を示した。
久慈秋まつりに関しては、後継者不足の深刻さが取り上げられ、行政の支援が重要であると強調された。市は手づくり山車製作助成金などを通じて、地域活性化に導く意向を示した。
土木行政の分野では、道路の安全性確保が求められ、市や県も連携して対応していく姿勢にあることが確認された。特に、視認性の低い路面標示の早急な修正が必要であるとの指摘があった。
一方で、橋梁の落書き問題についても言及され、警察との連携による対策が進められつつある。市は市民の安全を重視し、景観の管理を適切に行うことに尽力していることが伝えられた。
このように、議会では多様な市民の意見が尊重され、各施策に対する市の対応が求められ、今後の継続的な取り組みに期待が寄せられている。