令和2年12月9日、久慈市議会の第14回定例会議が開催され、多くの議員が様々なアジェンダについて質問を行った。注目の発言としては、社民・みどりクラブの黒沼繁樹氏が提起した久慈市後期基本計画案についての質問がある。黒沼氏は執行部が策定中の計画にSDGs(持続可能な開発目標)を取り入れる重要性を強調し、日本の国際的な立ち位置や課題について言及した。特に、今年のSDGs達成度ランキングで日本が17位となり、昨年の15位から順位を下げたことを挙げ、政策強化を求めた。
続いて、新型コロナウイルス感染症への対策について質問が続いた。黒沼氏は、市職員及び消防団員の感染予防対策、感染者発生時の対応、経済的影響による解雇問題など具体的な施策を求めた。市長の遠藤譲一氏は、職員へのマスク着用、手指消毒、時差出勤などの取り組みを強調し、雇用保持と支援策の重要性を再認識させられる回答を示した。特に、雇用調整助成金制度について言及し、職員の雇用を守る姿勢を明らかにした。
次に、逆メンター制度についても議論が行われ、黒沼氏は若手職員が先輩に助言を行うことで、職場の活性化や情報共有が図られる効果を述べた。市長もこの制度の導入が望ましいと認めつつ、実行に向けた課題を踏まえて今後の動向を注視する意向を示した。また、2050年カーボンゼロ宣言に関連し、温室効果ガス排出量の削減目標についても発言があり、環境への配慮が改めて求められた。
男女共同参画に関しては、黒沼氏が出前講座の拡充を求めたが、市長は多様性を重視した積極的な取り組みを提示しつつ、進捗について具体的な言及はなかった。トランスジェンダーへの配慮についても質問があり、公共トイレや制服に対する配慮の必要性が示された。市長は社会的な理解を高める必要性を訴えた。
その他、新生児の聴覚検査や聾者支援、農業政策の重要性についても言及され、各議員からの意見や質問が相次いだ。特に防災対策の重要性が強調され、久慈市における流域治水の取り組みが求められ、各種施策を通じて市民の安全を確保する姿勢が期待された。
全体として、今回の定例会議では、久慈市が新型コロナウイルス感染症からくる経済的影響と環境問題に対する意識を明確にしながら、持続可能な都市形成を目指す姿勢が確認された。各議員の質問は市の施策に対する市民の知恵を反映させ、防災対策や地域社会の発展につながる施策の実施が重視された。