令和2年3月の日程に基づいて行われた鹿嶋市議会の定例会では、複数の重要なアジェンダについて質疑応答が行われた。特に、新型コロナウイルス感染症に関する対応や市の観光振興策、デマンドタクシーの運用状況についての議論が際立った。栗林 京子議員からの一般質問では、鹿嶋市における感染症対策について具体的な情報が求められた。市長の錦織 孝一氏は、感染症の拡大に対応するため、保健所と連携を維持しつつ、防止策を徹底する姿勢を強調した。特に、市民への情報提供と呼びかけが重要であると述べ、今後も協力体制を強化していくとした。
議事の中で、観光振興策についても言及され、地域の経済活性化を図るための新たな施策が求められた。栗林議員は、中心市街地の活性化に寄与するために、官民が連携して実施するイベントや施設整備について具体的な提案を行った。市長は、この取組が鹿嶋市にとって重要であるとし、必要なサポートを提供する意向を示した。
また、デマンドタクシーの運用状況についても議論が行われた。デマンドタクシー制度は、交通の便が悪い地域住民にとって貴重な移動手段であり、出席議員からは利用状況やオペレーションの改善について積極的な意見が寄せられた。その結果、運行効率の向上や利用者の便益向上が今後の課題として浮き彫りになった。特に,利用者の偏りや時間帯による制約に関する問題が提起され,より多様なニーズに応えるサービスの提供が期待される。市は,このデマンドタクシーの運営について,今後も市民の声を反映させつつ、改善を行っていく意向を示した。
一方で、子宝手当事業についても議論が交わされた。川井 宏子議員はこの制度の必要性に疑問を呈し、見直しや段階的な廃止を訴えた。福祉行政の厳しい財政状況を受け、執行部は財政負担を軽減するための幅広い選択肢を検討する考えを示した上で、今後国が進める少子化対策とも関連付けて見直しを進めると説明した。具体的な取り組みとして、税制の見直しや支援実績の分析、子育て支援のあり方を含めた再考が行われる予定である。
最後に、鳥獣被害に関する問題が取り上げられた。利用者から報告されたイノシシやキジなどの生態に基づき、その防除策が求められる中で、環境学習の重要性や地域住民の防止意識の向上が行政の課題として認識された。特に、今後の地域資源と連動した環境整備が必要であるとの意見が強調され、持続可能な地域づくりを目指す方針が示された。