令和5年12月14日の鹿嶋市議会第4回定例会において、市政に関する一般質問が行われた。
議員の斉藤裕樹氏は、主に子どもの学習に関連した問題や医療、福祉の状況について取り上げた。特に、ヤングケアラーに関する相談窓口の設置や支援の重要性を強調した。今の時代、家族の事情により子どもたちが家庭内で大人に相当する責任を担うことが増えていることから、早期に発見し適切な支援を行う体制が求められている。
教育委員会事務局の大須賀規幸氏は、学校での生活アンケートにおいてヤングケアラーの実態把握に取り組んでいると述べた。具体的には、子どもたちの家庭環境を問う質問を追加し、健康福祉部との連携を進めているという。彼によれば、現在は小学生2件、中学生2件の確認が取れている。
続いて、斉藤氏は子どもたちの生活環境について質問を転じ、市内の学習環境や生活習慣についても言及した。学校生活アンケート結果では、朝食を毎日摂取する率が減少し、運動不足や睡眠不足も顕著になっている。学校における体力テストの結果では、特に運動の機会が減少していることが分析されており、教育長の川村等氏は運動機会を増やすための取り組みを続けていると説明した。
また、医療・福祉に関する質問では、高齢者医療費が年々増加傾向にあることが報告された。健康福祉部の野口ゆかり氏によれば、後期高齢者医療制度における医療費は89億7,751万円で前年比7.27%増となっており、介護保険給付費も増加している。市場環境の厳しさに対して、現行のサービスを維持することは難しいとの認識も見られた。
最後に、視聴覚障がい者に対する情報提供について、音声コードの導入を提案する声もあった。政策企画部の桐生進一氏は、鹿嶋市で広報に音声情報を加える取り組みをしており、今後もこのような活動を進めていく旨を回答した。また、市民相談窓口についても、現行の相談体制をさらに充実させ、市民からの相談に応じられるよう考慮していくと強調した。
この会議は、鹿嶋市が直面しているさまざまな課題と、その解決に向けた市の取り組みを市民に示す重要な場となった。