令和6年3月、鹿嶋市議会では市政に関する一般質問が行われた。
今回の議論では、主に救急救命体制の強化推進とAEDの適正配置についての重要性が強調されている。公明新聞の山口哲秀議員は、心停止や心臓突然死の現状について問うた。これに対し、健康福祉部長の野口ゆかり氏は、92件の救急搬送のうちAED実施は14件だったと述べ、AED普及が急務であることを示した。
特にAEDの設置状況については市内67ヶ所にあり、公共施設も含まれる。これに基づいて、心停止時のAED使用率向上に向けた取り組みが必要である。この状況を踏まえ、山口議員は広告付きのAED設置制度について提案。これにより費用の確保が可能になるため、より多くの配置が期待される。
また、災害時の安否確認システムも大きなテーマとなった。市民生活部長の久保重也氏は、災害時の情報伝達手段としてLINEと提携した「ヤフー防災速報アプリ」の活用を進めると述べた。これにより、避難所等への正確な情報配信が図られることとなる。
情報伝達だけでなく、公共施設がどのように高齢者や障がい者に配慮しているかも話題に上がった。佐藤信成議員は、オストメイトトイレの長期的な不具合改善の必要性を指摘。市は令和6年度に修繕を予定しているが、その過程での経緯に対する批判もあった。市は、バリアフリーについての改善や対応を今後さらに推進する意向を示す。
このほか、図書館の利用時間の柔軟性についても話し合われ、教育長は現状の市民ニーズに応じたサービス提供が重要であると強調した。彼は、市民の意見に耳を傾けながら、より良い開館体制を整備していく意向を示した。
市政に関するこの一連の質問を通じて、救急救命体制や災害対策、バリアフリー施策など、市民の安全と福祉を優先する姿勢がうかがえる。市は、今後も市民の声を聴きながら、具体的な施策を進めていく方針である。