令和2年第1回潮来市議会定例会が開催され、市政に関する様々な課題が取り上げられた。特に注目されたのは、市道整備や公園環境整備、交通弱者対策などである。
市道(生活道路)の整備に関して、志村一議員は、市街地を離れた未舗装道路の状態の劣化と緊急な補修の必要性を指摘した。志村議員は「市道の全面舗装化が市民の安全・快適な生活の重要な要素であると強く感じる」と述べ、補修すべき箇所の把握方法と進捗状況について質問した。土子建設部長は、補修箇所の把握は毎月の道路パトロールに基づいており、「未舗装の市道は全体の約40.7%を占め、これを全て舗装するには国からの交付金が必要である」と答えた。
権現山公園と稲荷山公園については、志村議員が環境整備の重要性を強調し、その現状とトイレ改修に関する方針についての情報を求めた。権現山公園は維持管理の観点から定期的に草刈りと清掃が行われているが、大規模な整備計画はないとされた。環境経済部長は「稲荷山公園についても同様の現状であり、両公園の環境整備は今後の課題である」と答えた。
交通弱者対策について、額賀市長公室長は、ニーズの把握方法について説明し、高齢者向けの交通サービスとしてタクシー利用助成制度の概要を説明した。「今後の交通施策については、潮来市地域公共交通活性化計画に基づき評価を行い、次期計画に活かしていく」との見解を示した。
また、道の駅「いたこ」については、前年比の利用者数と売上高の推移が報告され、地域振興への効果と今後のビジョンが示された。市長は道の駅の経営強化と地元産品の活用の重要性を指摘しつつ、今後も道の駅を中心とした観光振興の方針を強調した。
最後に、高齢者の権利擁護に関する施策について、小沼市民福祉部長が認知症有病率や成年後見制度の現状について説明。「市民に対する権利擁護の意識啓発に取り組んでいきたい」との方針が述べられた。
議会では、これらの施策を進めるための予算案や実施計画が審議され、市民生活向上に向けた実効性のある政策が求められているといえるだろう。