令和3年第1回鉾田市議会定例会では、さまざまな議案が論議された。
特に注目を集めたのが、令和3年度鉾田市一般会計予算案である。予算案に対しては意見が真っ二つに分かれる場面が見られた。「議案第1号は、コロナ禍における経済対策や新規就農者支援など、多くの施策が組み込まれ、適切な事業推進が期待できる」と賛成の立場から討論を行ったのは、山口 德議員である。
一方で、反対意見も根強い。髙埜栄治議員は、「コロナ禍の影響で市民の生活が脅かされており、予算の計上が適切でない」と語り、特に避難計画や保育環境の安全性が問題視された。議会での質疑では、特に認定こども園の設置を巡って熱い議論が交わされた。「現在の候補地は安全性が担保されておらず、設置計画を進めるべきではない」との主張があり、説得力のある反論が展開された。
それに対し賛成派の意見としては、待機児童解消は急務であるとし、まずは整備を進めるべきとの声が上がった。この問題では意見が平行線をたどり、結論を見いだすことはできなかった。しかし、議論を通じて各議員の考えや懸念が共有され、さらなる検討の必要性が強調される結果となった。
また、議案第21号についても質疑が行われた。市長の岸田 一夫氏は、新型コロナウイルス感染症対応費用に関して、「国からの補助金を最大限利用し、市民を支援するための施策を推進する」と述べた。その中には、市内での公共交通機関への支援や学生への物資給付が含まれた。
その他の議案では、国民健康保険特別会計や介護保険特別会計についても同様に討論が行われ、特に後期高齢者医療特別会計予算案については、その負担増が市民に与える影響について慎重な判断が求められた。高野 衛議員は「低所得者に対する負担が大きくなり、安心した生活が脅かされる」と強い懸念を表明した。
市議会では、以上のような様々な議題が取り上げられ、議員それぞれの立場から意見が述べられ、真剣な質疑が展開された。議案の可決に至り、予算が執行されることが決まり、今後の市政に与える影響についても注目される。