令和3年第109回多可町定例会が12月7日に開催され、町長の吉田一四氏が所信表明を行った。この会議では、新型コロナウイルス対策や財政運営に関する重要案件が提起され、多くの議案が審議されることとなった。
冒頭の町長所信表明では、吉田町長が今後の町政運営に対する抱負を述べた。吉田町長は、コロナ禍の影響を受けながらも、町政を着実に進め、住民の生活を守ることに全力を尽くす意向を強調した。特に、施策として「子育てするなら断トツ多可町」の実現や、行政サービスの向上に向けた取り組みに力を入れると述べた。
子育て施策については、福祉医療の無償化や育児手当の制度創設など、多様な支援策が具体的に進められていることを紹介。地域経済の回復にも注力し、新たな企業誘致や地域産業育成が課題として挙げられた。特に、農業や林業の地盤強化と地域資源の利活用が求められ、町の特産品である「山田錦」を含む地域の魅力を再発見する取り組みが重要視された。
この中で、多可町の財政状況に対する懸念が示され、特に指定管理施設の運営見直しや新たな事業展開が求められた。今後の町政運営においては、住民の声を積極的に反映させながら、持続可能な地域づくりを目指すと明言した。
また、議案第68号の押印見直しに関する条例の提案がなされたことも注目される。本議案では、行政手続における押印を廃止し、住民の負担軽減を図ることが目的とされている。さらに、国民健康保険条例の改正案や国民健康保険税条例の改正に関しても、対象者への支援が強化されることが期待されている。
このほか、高齢者支援施設の管理者の指定変更や、町有財産の無償譲渡など、地域の支援機関とプログラムに関する諸議案が、審議の対象に上がった。これらの議案は全て、住民福祉向上を目的とした重要な内容であり、今後の具体的な方向性が注目される。
吉田町長は、最後に町民に向けて、健康で明るい未来に向けた取り組みを継続することを呼びかけ、議会の円滑な運営に協力を求めた。これにより、住民の安心を守るとともに、未来につながる新たな町づくりへとつなげていく意義を強調した。今定例会では、合計で16の議案が提出され、今後さらなる詳細な審議が行われる予定である。