令和2年度第100回多可町議会では、新型コロナウイルス対策や公共交通に関する制度の見直しが焦点となった。特に、交通弱者への福祉タクシー券の有効活用については多くの意見が寄せられた。福祉タクシー券は累積的に利用されるにも関わらず、近年の利用率は前年度と大差なく、委託先としての社会福祉協議会の役割や支援制度の検討が求められている。福祉タクシー券は高齢者や障害者の方を対象に年に500円券24枚が提供されるが、その利用率を更に向上させる必要性が感じられる。特に、対象者の間での利用率の偏りや状況に応じた制度の柔軟性が求められる。
さらに、議会では人口流出を防ぐための施策が必要とされ、空き家バンクの活用とM&Aプロセスの強化が提案された。多可町では、町営住宅の地域対応利用の拡大を検討しており、空き家マッチングや若者の定住支援を通じて地域内活性化が推進される見込みだ。この施策により、同町の魅力が増大することで、多くの移住者の受け入れが期待されている。
また、安全な道路ネットワークの整備が今後の大きな課題として浮上した。国道427号の豊部バイパス整備が進行中であり、次に加美・八千代地区の三室バイパス事業化が焦点となっている。三室バイパスは交通量の増加が続く地域であり、近隣住民の要望に応えることが急務である。県道加美八千代線の整備により、地域間の移動が円滑化されることが見込まれ、これによって地域経済と交通利便性が向上することが期待されている。
最後に、公共交通の利用促進とも連携し、今後の柔軟な制度設計と共に便利さを追求することで、多可町における全ての住民の生活の質を高める施策への検討が進められていく必要がある。これらの改善が各々の住民に認められる施策につながることが求められている。