今回の令和3年第104回定例会では、新型コロナウイルスワクチン接種と地域公共交通についての問題が中心的な議題として取り上げられた。
新型コロナウイルスワクチン接種については、詳細な接種計画が重要視されており、新たに設けられたワクチン接種推進本部がその役割を担っている。町長は、医療従事者の接種が既に始まっており、高齢者へのワクチン接種は連休明けの5月から開始されると報告した。接種のスムーズな実施を目指して、タクシー業者と連携した送迎の取り組みも計画されており、地域住民の安全と健康への配慮が求められている。
一方、地域公共交通の課題として、住民の移動手段の確保がある。多可町内では、路線バスやコミュニティバスの運行が赤字経営に苦しんでいる。特に、高齢者が増加する中での交通サービスの維持と改善が急務となっている。町長は、公共交通網形成計画に基づいた取り組みを強調し、住民のニーズを反映した施策が必要であると述べた。特に、地域内交通の改良として福祉タクシー券の利用促進や、デマンド交通の導入が検討されている。
また、上下水道経営の課題も重要な議論の一環であった。人口減少の影響により、上下水道事業は厳しい経営環境に直面している。現在、上下水道の老朽化率は15%であり、8年後には50%に達すると予測されている。これに対処するために、重点的な整備計画が必要とされており、耐震化や更新工事が検討されている。特に、公共施設や重要な地点の整備が重視され、住民生活の基盤を維持するための努力が続けられている。
教育に関しては、学校施設の整備が論じられ、トイレの洋式化や利用環境の改善が急務視された。特に、数多くの子供が安全かつ快適に過ごせる教育環境の整備が進められ、地域のニーズを反映した方針が今後の課題であると認識されている。