令和2年第95回定例会が3月2日、開催され、町長吉田一四氏は施政方針を述べた。新型コロナウイルスの影響で住民の健康と安全が脅かされる中、地域活力の維持と福祉の向上を目指していくことが強調された。本年度の予算案は117億4600万円で、前年度比3.2%の増、主な取り組みには切れ目のない子育て支援体制の充実が含まれる。
町長は、人口減少を懸念し、結婚、出産、子育てを支援するための新施策を進行中であることを述べ、結婚新生活支援基金を新設、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援が重要であるとの考えを示した。この施策により、出生数の回復を目指している。地域共生社会の実現に向けた取り組みとして、尊厳のある高齢者及び障がい者施策を充実させ、住民の生活の質を向上していく意向を表明した。
具体的な政策として、郷土愛を育むためのふるさと教育の推進や、町内外からの移住・定住促進策として、空き家対策を進め、地域資源の活用に努めることが挙げられた。さらに、地域活性化、観光誘致の戦略として、農業振興や地域ブランドの推進に力を入れる方針が示された。
また、教育長岸原章氏は、少子・高齢化に伴う教育の質向上を目指し、学力向上施策を強化していくことを発表。特に、自立心を育むふるさと教育の重要性を訴えながら、地域と学校の連携強化に努める意向を示した。
一方、議案の中には、町営住宅の無償貸与や指定管理者の指定など、地域活性化やソーシャルサービス拡充に向けた取り組みが含まれており、総合的な行政運営の透明性と効率化が求められている。吉田町長は、「持続可能な多可町のために、職員一同が全力で取り組んでいく」と述べ、地域との協働に力を入れる方針を強調した。
多可町の今後の戦略と施策には、考えられた多角的なアプローチが求められ、特に子育て支援や地域の持続可能性を向上させるための戦略的方向性が重要である。