令和3年第106回多可町議会の定例会が開かれ、重要な議案や承認案が上程され、討論が行われた。
まず、議長の吉田政義氏は開会挨拶を通じて、最近の新型コロナウイルス感染拡大に対する警戒を呼びかけた。特に、地域内の高齢者施設でのクラスターが発生する中で、感染防止策の徹底を求めた。
会議では、さまざまな議案が提案され、各担当者がその内容について詳細に説明した。中でも町長の吉田一四氏は、多可町税条例の改正を含む承認案の根拠を述べた。税務課長の杉原正氏は、固定資産税の標準額を令和2年度と同額に据え置くことを説明し、税額の変動について質疑が行われた。藤本一昭氏が税額の影響について質疑し、杉原氏は、評価替えによる税額増加分は据え置かれると述べた。
議案の一つには、令和2年度の補正予算が含まれており、町が社会福祉基金へ寄附金を受け入れた件も取り上げられた。町長はこれらの費用の有効利用を約束し、議員からは補正の内容や財政状況についての質問が相次いだ。
さらに、議案第44号として行政手続に関する押印見直しの条例が上程され、理事の今中孝介氏がその理由を説明した。国の推奨に基づき、住民の負担を軽減する目的で、押印を廃止する内容である。
また、教育に関する請願もあり、山口邦政氏が教職員定数改善と義務教育費国庫負担制度拡充に向けた意見書採択の請願を説明した。現在の教育現場では、少人数学級の要望が高まっており、その必要性が訴えられた。議員の理解を求める中で、教育の質の向上を目指す姿勢が表れた。
各議案は慎重な審議の結果、承認され、最終的には次回の会議は6月17日から再開されることが決定した。議会は、地域住民のために引き続き尽力する姿勢を示している。