令和元年第91回多可町議会定例会が、令和元年6月21日に開催された。14名の議員が出席し、重要な議案について慎重な審議が行われる。
特に注目されたのが「多可町国民健康保険税条例の一部改正について」である。生活環境常任委員会の山口邦政君は、改正の必要性を強調した。今回の改正により、国民健康保険税の基礎課税限度額が引き上げられ、所得軽減基準額も見直される。同議員は、「この改正によって、低所得者に対する公平性が保たれる」と述べた。
次に、災害援護資金制度の改正に関する議案が挙がった。「多可町災害弔慰金支給等に関する条例の一部改正」の内容について、山口君は過去の貸付実績を踏まえた説明が必要であるとし、返済義務に関する懸念について質問した。これに対し、執行部は制度活用促進に向けて改善策を検討すると明言した。
また、公共交通網形成計画の策定について、廣畑幸子君は「地域の交通手段の確保が喫緊の課題」と指摘。公共交通が減少する中、住民の移動を支えるためのビジョンを示すべきだと強調した。
この議会では、12の議案が上程され、すべて原案通り可決された。特に、教育環境の改善に向けた予算措置や、空調設備整備に関する工事請負契約の締結についても議論が交わされた。
吉田一四町長は、議会の協力に感謝し、今後の事業に向けた予算使用の透明性を確保する必要性を説いた。議会では、地域の実態に即した決定がなされ、年々厳しくなる財政状況と未来の多可町に向けた計画が論じられた。