令和6年第1回名寄市議会定例会が3月21日に開かれ、市民福祉常任委員会からの報告が重要な議題を占めた。特に国民健康保険税条例の一部改正が注目され、市民の健康維持と医療費の適正化に向けた方策が議論された。
市民福祉常任委員会の高橋伸典委員長は、審査経過を詳細に説明。国保税条例改正について、赤字見込み額とその財源、被保険者数の推移などを懸念する声が上がった。国保への加入者は社会保険の適用拡大により減少している現状を指摘し、2022年から2025年には団塊世代が後期高齢者医療制度に移行するため、被保険者数の減少は今後も続く見込みであると明らかにした。
また、委員から医療費削減に関する具体策を質し、保健事業の強化や広報の充実化が求められた。さらに、「低所得者への急激な税増は避けるべき」との意見が出され、保険税の公平性についても議論される。委員たちの質疑は、新年度における保険料の予測についても及んだ。
加藤剛士市長は、制度見直しの方向性を示し、今後の国保運営を安定させるためには、国への支援が不可欠である旨を強調した。その上で、北海道における保険税率の全道統一を目指し、地域の実情にあった税率の改正も必要であると述べた。
続いては、名寄市介護保険条例の一部改正についても審査が行われた。質疑では多段階設定との兼ね合いや、介護供給の安定化が求められた。予算審査特別委員会から、令和6年度の全会計予算が一括で可決される中、議題となった特別会計はすべて原案通り可決された。
議会の活性化を図るための取組みとして、議会活性化特別委員会からの報告もあり、視察結果を基にした議会改革案が示された。このことから、今後の議会運営には市民参加や透明性が不可欠であり、さらなる議会力の向上が期待される。議会は、恒常的に議会改革を進める必要があると示唆し、議員間での意欲を高める重要性を認識した。
最終的に、全ての案件が可決され、議員の辞職や新たに選任された名寄地区衛生施設事務組合議会議員についての話題も尽きなかった。加藤市長は、今後も市民福祉の向上に努める方針を示し、議会の終結を迎えた。