令和元年第3回名寄市議会定例会が、9月20日午前10時に開会された。主な議題として、地域包括ケアシステムの深化や高齢者の健康寿命の延伸に関わる議論が行われた。しばしば議論の中心となったのは、地域包括ケアシステムのICT活用についてだった。
高橋伸典議員が「ICTを通じた医療と介護の連携について、名寄市としての具体的な取り組みをどう考えているか」と質問を投げかけた。これに対し、廣嶋淳一こども・高齢者支援室長が、「名寄市ではICTの導入を進めており、地域内の医療機関や介護事業者が情報を共有するシステムを構築中である。」と答えた。
また、高齢者の健康に関する取り組みも話題に上がった。高橋議員が「昨年のフレイル予防に関する講演会の成功について説明し、今後の取り組みを問うた」ところ、廣嶋室長が「人口高齢化に対応し、地域リハビリテーション活動支援を進め、介護予防の啓発に寄与する」と答えた。
さらに、高齢者の安全運転支援について、交通事故の減少傾向にあるものの、高齢者ドライバーによる事故の割合が高まっているため、警視庁の取り組みを踏まえた対策が求められた。佐藤靖副議長は「高齢者の免許返納を促すため、地域交通ネットワークを強化する必要がある」と強調した。
市内の道路環境改善に向けた施策の進行状況が報告された。車両利用のしづらさと、公共交通空白地における移動手段の確保が大きな課題であることは明確になっており、これについての具体的な施策が求められた。本定例会においては、医療や福祉だけでなく、地方公共交通全体の改善につながるよう求められる発言が多かった。
圧倒的に高齢化が進む中、地域包括ケアシステムの一環として、さまざまな施策が市民にとって利便性の高い制度となるよう、引き続きの取り組みが期待される。
また、議会の中では名寄市立大学の将来展望についても話題にあがった。市立大学の設置した地域密着の教育プランや、今後の学生の進路に影響を及ぼす地域との結びつきも論じられた。地域の特色を活かした教育を進め、学生の地元への定着をサポートすることが重要であるとの見解が共有された。
最後に、市民生活の安全を高めるための施策が求められ、地域住民の協力が不可欠であるとの意見が数回にわたって強調された。本議会での提案は、名寄市の未来に大きな影響を与えることを期待されている。