令和4年第8回三原市議会定例会で、敬老優待乗車証及び障害者優待乗車証の交付状況が報告された。現在、敬老優待乗車証の交付対象者は約2万5千人。2023年度の交付者数は1万3千744人に達し、約54%の交付率を示している。また、障害者優待乗車証の交付者数は2千174人で、対象者の52%にあたる。特に興味深いのは、年齢別の交付状況である。70歳から74歳の交付率は27%に留まる一方で、85歳から89歳では78%に達しており、高齢者間の利用の格差が浮き彫りになっている。これにより、今後の施策の見直しが期待されている。
加えて、優待乗車証の利用状況についても詳細に把握されていることが報告された。2023年度の利用者数は高齢者が約20万人、障害者が年間約9万人に達しており、地域住民にとって重要な移動手段となっている。特に大和町などの中山間地域では、この制度による地元住民の生活支援が期待されている。
しかし、交通の確保は緊急の課題であり、特に少子高齢化が進む中山間地域では移動の手段が乏しく、買物難民の問題も深刻である。このため、地域での店舗減少対策として、地域コミュニティ交通を確保することが不可欠であるとされている。具体的には、熊野町や大和町を中心に、デマンド型乗合タクシーの導入が進められており、今後のさらなる展開が望まれている。
さらには、タクシーチケットの導入に関しても、地域支援の強化策として期待されている。これにより、高齢者や障害者が移動しやすい環境が整備され、地域の豊かさを保つことができる。
議会の中では、今後検討が進む地域公共交通の補完的取り組みとして、観光や文化振興へも目を向けた政策設計が必要とされている。一方、タクシーチケットの補助が新たな公共交通の選択肢として期待される中、現行の制度の見直しや改善も急務である。