令和6年第2回6月定例会が開催され、様々な重要な課題が議論された。特に、新市民病院建設に関する質問が多く、地域医療をどう守るのかが焦点となった。伊藤議員は、新市民病院建設の必要性について異議を唱え、「現存する市民病院を改装し、もうしばらく使用できるのではないか」と主張した。引き続き、平谷市長は、新病院が地域医療を支えるために必要であると説明し、老朽化や医療機能の向上を根拠に挙げた。不祥事も再び問題視された。市長は職員の不祥事に関し、自ら謝罪し、今後の管理体制強化を公言した。
また、議論の中で食料・農業政策が取り上げられ、市内の耕作放棄地の活用や農業の効率化が進められる必要性が指摘された。檀上議員は、農業の生産性を向上させるためのデジタル技術、いわゆる農業のデジタル化(農業DX)の推進が急務であると述べ、その具体例を挙げて説明した。市長もその方向性には賛同し、取り組みを続ける姿勢を示した。
環境政策についても話題に上がり、持続可能な循環型社会の構築が求められた。村井議員は、生ごみの資源化の必要性を訴え、そのためのコンポスト導入や市民への啓発活動の強化が必要であると提言した。また、学校給食における飲用牛乳の選択制についても触れ、食品ロスの削減に向けた具体的な施策を求めた。市は新しい取り組みを検討する意欲を示し、具体的な数値目標の設定を今後の計画として考慮する。
手話言語条例についても、市民からの強い要望があり、優先的に進めるべき課題として認識されている。市長は、条例を制定することが重要であり、地域の実情をしっかり把握した上で進める必要があるとの意見を述べた。今後、より多くの議論が求められると考えられる。
この定例会では、各議員から市民のための施策や制度改善に対する提言が相次ぎ、尾道市の未来を見据えた建設的な議論が展開された。特に医療、環境、農業の3つの重要課題については、市として早急に方針を示し、実行していくことが求められている。市民の声に応え、より良い社会づくりを進めるための実効性のある施策が必要とされていると言える。