令和2年第10回三原市議会定例会が開催され、様々な施策が議論されました。
最も注目されたのは、佐木島への航路維持に関する議論です。田中裕規議員は、廃止予定だった三原−鷺−重井間のフェリー航路が島民に与える影響について強調しました。特に、高齢化が進展する中、島民の病院通いにおいて利便性が損なわれる可能性を指摘し、「市は観光資源としての活用戦略を示すべきだ」と訴えました。これに対し、岡田吉弘市長は、観光振興の計画を進め、佐木島の魅力を高める取り組みを進行中であると述べました。
また、新型コロナウイルス対策についても言及がありました。感染者拡大の影響で、医療機関等での検査体制の強化が求められており、特に高齢者施設への定期的な検査実施の可否が内容とされました。市は現在の検査体制を強化し、感染拡大防止に努めると表明しています。
さらに、移住促進策も主要議題とされました。岡議員は、「空き家の確保や市営住宅の活用を図るべきだ」と述べ、特に高齢者や新たな世代を迎える起点としての住環境整備を訴えました。市は、移住者への物件の確保に関する情報提供を強化し、地域連携を深める考えを示しました。
介護保険料の引下げについても議論が交わされ、寺田元子議員は、国保基金が潤沢であることを踏まえ、「市独自の上乗せで保険料引下げを」と要望しました。新地保健福祉部長は、慎重検討を約束しつつ、安定した運営が必要であるとしました。