令和元年第5回神石高原町議会定例会が9月12日に開催され、各議員が様々な議題について質問を行った。特に目を引くのは、寄定秀幸議員の食品ロス削減の推進に関する質問である。日本国内で破棄される食品は約2,759万トンに達し、そのうち約643万トンがまだ食べられる食品ロスとされる。この背景には、国連が掲げる「2030年までに消費レベルにおける食料廃棄を半減させる」目標が影響している。寄定議員は、神石高原町における食品ロス削減への取り組みと、教育機関での食育の重要性について触れた。全体として、町長の入江嘉則氏は、食品ロス削減には国や県と連携し、地域に特化した施策を策定していくと強調した。
次に、有害鳥獣対策についても議論が交わされた。町長は過去10年間でイノシシの捕獲数が増え続けていると述べ、捕獲後の処理や活用策についても考慮する必要があるとした。特に捕獲したイノシシをジビエとして活用する方針が示された。議員からは、農業への悪影響や高齢者家庭への配慮も求められたが、横尾正文議員は「地元農業を守るには実効性のある対策が求められる」と意見を求めた。
さらに、企業版ふるさと納税の活用についても議論が展開された。町長は、地方創生を応援する税制の関与を説明し、企業が納税を通じて地域を支援する意義を説いた。最終的には、神石高原町の生産物をブランド化し、特産品の認知度を向上させることが求められている。全体として、地域の活性化への強い意志が見えた定例会となった。