令和3年第2回神石高原町議会が3月19日に開会され、議案第27号として令和3年度一般会計予算が審議された。
本年度の一般会計は合計で120億円となり、前年度比約4.4%の減額が見込まれている。この予算案を巡って、特に新庁舎の建設案件が大きな論争を呼んでいることが分かった。林憲志議員は、庁舎建設費の4,880万円が含まれていることに反対の立場を明確にし、「住民が新庁舎の恩恵を感じられないのではないか」と指摘した。
議会における指摘の中で、森林環境譲与税を活用した施策も取り上げられた。林議員は、森林経営管理推進事業の影響を懸念し、土砂災害や水源の危機について触れた。特に、環境保全型の自伐型林業の推進が重要であるとの意見が述べられた。これに対し、横山素子議員はこの予算案に賛成し、持続可能な未来を創造するための新技術の導入が必要であると訴えた。
さらに、動物愛護事業に関する議論でも意見が分かれた。林議員は、動物シェルターの状況を把握できていない点を批判した。また、有害鳥獣対策費の活用法についても提言があり、有害鳥獣の肉を利用したペットフード化の検討が求められた。これに対して、行政側は高齢者や交通弱者の移動手段確保に向けた施策を引き続き強調している。
討論の結果、令和3年度一般会計予算は原案通り可決された。今後の進展が注目される中、入江町長は新年度の施政に向け、特に新型コロナウイルスの影響を考慮した政策の推進を宣言した。議会の動向は今後の町の政策運営に大きく影響することが予想され、それに対する住民の反応にも注目が集まっている。