令和2年第10回神石高原町議会定例会において、入江 嘉則町長は就任後初の所信表明を行った。
今回の所信表明は、4年間にわたり町政運営に取り組む中での課題やビジョンについて触れ、特に町民の安心や幸せを重視したまちづくりの方針が示された。
入江町長は、「住民の皆様が安心して暮らせる、そして誰もが挑戦できる町を創る」と述べ、まちづくりの鍵となるのはコミュニティの結束と連携であると強調した。議会との協力の重要性についても言及し、今後の目標として「安心、幸せ、挑戦」を掲げた。
町長は特に人口減少への懸念を示し、「地域における事業の創出や支援」を進めていくことを約束した。具体的には、農林業の振興を重要テーマとし、高齢化する農業従事者の後継者育成や新たな高収益作物への転換を図る方針が述べられた。全体の農業従事者が減少する中、救済措置や改善策が必要であるとの認識があった。
さらに、最近の豪雨や新型コロナウイルス災害に対する具体的な対策についても触れた。入江町長は、昨今の自然災害に対してはハード面だけでなくソフト面の対策も必要とし、地域住民と連携した防災対策の強化を進めると語った。新型コロナウイルスにおいては、リモート技術の導入に触れ、時代に合わせた柔軟な対応が求められる考えを述べた。
また、医療、福祉面での充実についても言及し、町営化された民間診療所について「地域医療の基盤を強化する」と言及した。特に、予防医療や未病の考え方の普及を進め、健康で安心して暮らせる街を目指すとした。
入江町長の発言に対して、出席した議員達からは熱心な共感が寄せられた。町長は「協力し合いながら共に進めていく意欲が町の未来を築く」とし、町民や議会との信頼関係の構築を願った。最終的には、地方自治体としての役割を確実に果たすこと、そして次の世代に住み続けられる町を継承する意義を再確認した。
本会議は、これらの議題について今後の町政運営に向けた続々とした議論が期待される中、無事に閉会された。